2016年9月21日水曜日

9月18日 フィルム現像

大昔、それも中学校時代になぜか中古で譲ってもらった現像システム一式が自分の部屋にあった。たぶん、同級生の父親の影響だったのだと思う。彼の家には階段の下に暗室があって、そこで現像がいつでもできるようになっていた。当時は星の写真などを撮っており、貧乏中学生には自分でロールのフィルムを買ってきてパトローネに入れて、増感して現像するのが安上がりだった。それら一式はたぶん実家がいまの場所に引っ越すときにすべて粗大ごみとなったのではないだろうか。すでに私はその家にはいなかったのでどうなったのか全く知らない。
ポートランドに来てありがたいことは、アナログレコードが容易に手に入ること、そしてフィルム現像をしたいときにすぐに必要な薬剤機材を買える店が街にあることだった。それに気づきフィルムカメラにフィルムを入れたのが春先。1本目のロールを撮り終えたのが夏前。そこからが長かった。昔はダークバッグと呼ばれるカメラからフィルムを取り出し、現像タンクに入れるための袋を持っていたのだが今は持っていない。そのため、フィルムを現像タンクに移すには完全とまでは言わなくても光の入らない場所での作業が必要。その次に5種類(昔は3種類)の薬剤を適切な濃度に薄めてタンクに移して、やっと現像作業をやっと始められる。それらの作業をするのが億劫で重い腰が上がらなかったのだが、昨晩思い立ってフィルムをタンクに移し、あとは現像作業というところまでもっていった。日曜日は朝から手に入れた現像のための薬剤の資料とにらめっこ。今回はすべてイギリスの会社の薬を使うことにした。昔は富士フィルムの薬剤を粉で買って水に溶いていたが、今の時代すでに液体になっていてあとは水で薄めるだけの状態で売られている。フジもコダックも売られているが、割高なので今回はフィルムから薬剤まですべて同じ会社で統一。フィルムも昔は250円−300円で買えたのだが、なんといまは$7もする。流通量が著しく落ちたことで好きな人しか買わなくなったのであろう。足元を見られている値段としか思えない。幸いなことに水道水の温度も、気温も規定の温度のため、水を暖める必要もなく適量を混ぜるだけで準備はOK.あとは手際よく数秒単位での時間管理をして現像作業開始。実際の作業は30分もすれば終わってしまう。できたものが上の写真で乾燥させているフィルム。この紫色の白黒フィルムが懐かしい。
結果は大きな失敗もなく、これで家でフィルムの現像をできることがわかった。せっかくなのでこれからは久しぶりにまたフィルムカメラをもって出かけてみよう。

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